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スロープを考え直した方がいい理由 ~「生活」から「形」を考える~

このホームページでは、障害のある方が住まいづくりで失敗しないためのポイントを、わかりやすくお知らせしています。

車いすの方の家と言えば「スロープ」を思い浮かべられる方が多いと思います。
ただ、失敗をふせぐためには、「スロープ」にするかどうかは、よくよく考えて決められた方がいいかも知れません。

誤解のないように申し上げておきますが、別に「スロープ」を否定しているわけではありません。
大切なのは、「スロープ」にするかどうかの結論ではなく、その結論に至るまでのプロセスなのです。

少し抽象的な話になってしまいますが、お許し下さい。
住まいを考える時に、「生活」から考えるのか、それとも「形」から考えるのかによって、大きな違いが出ます。

往々にして失敗してしまう原因・・・それは、「形」から考えてしまうからなのだと思います。
それを分かっていただくために、料理を例にしてお話しします。

料理をつくるときには、次の2通りのパターンがあります。
「献立」から考えるのか、それとも「材料」から考えるのかです。

①先に「献立」を考えてから買い物をする場合
「献立」→「材料」

この場合は、今、本当に食べたい献立を決定してから材料を調達します。材料を買いに行くのは面倒かも知れませんが、しかし、確実に食べたいものを食べることができます

②冷蔵庫の中にあるものを見てから、そこにある材料でつくれる献立を考える場合
「材料」→「献立」

この場合は、最初から買い物に行く気はありませんので、手間は省けます。しかし、冷蔵庫の中の材料でつくるとすれば、それは今、食べたいものになるという保証はありません

住まいをつくる場合も、これと似ていて、次の2通りの考え方があるのです。

①先に、「したい生活」をイメージする
「生活」→「形」 ②先に、「形」をイメージする
「形」→「生活」

スロープの場合をこれに当てはめてみましょう。

①先に「生活」をイメージする場合

まず「どんな生活がしたいか」について考えてみましょう。

  • 家の出入りは、車いすでも楽で、安全にしたい。
  • 出かける時にはまだ元気があるかも知れないが、帰ってきた時は疲れていることも多い。
  • 体調が良いときもあれば、悪いときもある。
  • 荷物が少ない時もあれば、多い時もある。
  • 雨の時にも、車から降りてから家に入るまで、濡れないようにしたい。
  • 雨で地面が濡れていても、車いすの車輪が滑らないようにしたい。

これが「生活」について考えるということです。

次にそれにふさわしい「形」を考えます。

  • スロープだと、降りる時(家から出る時)は楽だが、昇る時(家に入る時)はしんどい。
  • 雨で濡れないように、駐車スペースから玄関までは、屋根が欲しい。
  • 床の素材は、濡れても滑りにくいものがよい。
  • 段差解消機だと、家の出入りは楽にできる。介助者がいても、いなくても大丈夫。

といった具合です。

②先に「形」をイメージする場合

この場合は、まず「形」ありきです。
車いすの人は、玄関の前にスロープが必要。

そして、それにあわせて「生活」してみるとどうなるでしょうか?

  • スロープだと楽に出入りできると思っていたけど、昇りは意外に大変。
  • 特に、疲れているときや、荷物が多いときは、かなりの介助が必要。
  • 屋根がないので、雨の日は濡れてしまう。
  • スロープが濡れると、車いすの車輪がすべって危ない。

もう、お分かりいただけたと思います。
「形」を先につくってしまって、それにあわせて「生活」を見てみると意外に後悔することが多いのです。そして、多くの建築士が、先に「形」をつくってしまう発想に陥っています。
ですから、失敗が起きやすいのです。

さらに詳しくお知りになりたい方は、無料レポート「バリアフリー工事よくある失敗事例集」をご覧下さい。