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2018年1月10日 ht様 wrote:
私たち夫婦は、二人とも車いすユーザーです。
夫は、就職して間もない頃、仕事中に交通事故による頚髄損傷。
妻の私は、進行性の難病により、歩行が困難なのです。
病院でリハビリしている時、たまたま同士だったので声を掛け合っている内に、意気投合し結婚することになりました。
そんな二人が結婚するとなったとき、まず問題となったのが、
『どんな家なら二人で生活していけるのか?』ということでした。
マンションや公営住宅なども考えましたが、車いす2台では狭そう・・・、
車いすは室内用と外出用を使い分けたいから、玄関に2台分の収納スペースも要るな・・・。
トイレは、二人同時に使いたいこともあるだろうし、2箇所ないと困るよな・・・。
など、など・・・。
そこで、思い切って一軒家を新築することにしたんです。
何社か不動産業者をあたってみたのですが、
なかなかここ!と思えるところがなく、探すのに苦労していました。
そんなとき、知人が「気軽に相談に行けばいいから」と紹介してくれたのが、
サニープレイスさんでした。
知人の言葉通りふらっと行ってみると、
『一緒に生活を考えてくれる』というスタイルに、まずはびっくりしました。
それまでのところとは全ッ然、違ったからです。
そこで、「ここしかない!」と、お願いすることにしたのです。
◆
あれから、15年近くになります。
実は私たち夫婦、大の旅行好きです。
毎年、どこかに旅行に出かけてます。
と言っても、いままでは国内ばかりだったのですが、昨年は思い切ってフランスに10日間行ってきました。
それはそれはハプニングだらけの、それでもいままでで一番の、
素晴らしい旅行となりました!
フランスの道は石畳が多いので、向こうで電動車いすをレンタルしました。
フランスの北半分、モンサンミッシェルからスイスとの国境・レマン湖まで、
盛りだくさんの、信じられないくらい素敵な旅でした。
スイスにも一日だけ行って、本場のチーズフォンデュも、堪能できました。
私たちの知り合いのフランス人で、バリアフリーの旅行をコーディネートしてくれる人がいます。彼女のお陰で、バリアフリーの”ゲル(パオ)”を見つけてくれていたり、お城のホテルを用意してくれていたり…と夢のような経験をすることができました!
◆
そんな風に私たちが活動的でいられるのも、この家がしっかり私たちの生活をサポートしてくれるからです。
たとえば、玄関には段差解消機を取り付けています。
出かける時にスムーズに出られることはもちろんのことですが、もっと大切なのは、疲れて帰ってきた時のことです。
家に入るのに、スロープ上るのはしんどいし、荷物があったらよけい大変。
そんなしんどい思いばかりしていたら、だんだん出かけること自体がうっとうしくなってしまったかも・・・。
特に定期的なメンテナンスは必要ないし、8年以上使っていて、一度も故障したことはありません。
我が家は2階建てですが、2人とも車いすということで、
エレベーターを使用しています。
トイレは、1階・2階とそれぞれに、つくってもらいました。
トイレ内に車いすのまま入ることは大前提として、ターンするための広さや、手すりやペーパーホルダーなどの位置を、何度もシミュレーションして決めました。
この2箇所のトイレのおかげで、水分摂取をガマンする必要なんて全くなく、
とても快適に暮らすことができています。
友人が泊まりにきてくれたときなど、お酒をたくさん飲むこともあるのですが、
何の心配もなく、楽しい時間を過ごすことができます。
私たちのように身体に障害を持つ者にとっては、
トイレが最も“障害”となる部分です。
この家では、その“障害”は、ありません。
これほど大きなことはないと、思っています。
浴室を設計する時も、設計士さんと何度もシミュレーションを繰り返し、手すりの位置や洗い場のスペースなどを決めていきました。
2人とも体温の調節が難しいので、洗面所と浴室内それぞれに、暖房システムを導入しました。
外出して疲れて帰ってきても、楽に入浴できるため、お風呂をパスせずに済むんです。
これも、旅行好きの私たちにとって必須条件と言えるでしょうね。
あと、つくっていてこれは本当によかったと思える部屋があります。
予備室なんですが、畳コーナーがちょうど車いすからトランスしやすい高さになっているので、
普段はここで、テレビを見ながらストレッチをしたりしています。
そのためにマットレスを敷いているのですが、
友人が泊まりにきてくれたときには、
“畳ベッド”として使ってもらったりと、大活躍です。
このような家のお陰で、私たちの今の生活があるんだと実感しています。
今まだ入院中で、この先の生活の事などなかなかイメージできない方もいると思います。私たちも15年前はそうでした。でも、自分たちの人生を絶対にあきらめないと決めて、一歩一歩進めているうちに、今のような生活を楽しむこともできるようになったのだと思います。
とはいえ障害を持って生活していくという事は、日々の生活の中で、トラブルや困難もつきまといます。
住環境というのは、そういう私たちをさりげなく支えてくれるものだと思っています。